技術系職場におけるトップダウンとボトムアップ
お久しぶりです。
長らくブログを書いておりませんでしたが、気ままにやっておりますので引き続きよろしくお願いします。
今回は技術系職場におけるトップダウンとボトムアップの違いについて。
※会社経営や組織全体における話ではなく、職場または部署単位での内容となります。
私は2回の転職でトップダウンとボトムアップ、色が大きく異なる職場を経験しました。
そんな相異なる職場に身をおいて感じたメリットやデメリット、気づきなどをお伝えします。
今後の会社選びや、環境が変わってトップダウンとボトムアップの違いに戸惑いを感じている方の参考になれば幸いです。
(1)職場風土の分類および定義
ボトムアップとボトムアップの意味については以下の通り定義します。すでにご存知かと思いますので読み飛ばしていただいてもOKです。
図1はイメージを示しています。
トップダウンとは
上位者の意思決定に基づいて下位が動く方式を言います。
上位者の決定に基づいて、中間者がかみ砕いて具体的指針を出し、それを下位者が忠実に行動するイメージです。
ボトムアップとは
下位者からの提案や報告を上位へ吸い上げ、その内容に基づいて上位が判断をした上で動いていくスタイルを言います。
基本的には下位者が具体的指針まで検討して提案し、中間者がその内容を整理して上位者に報告し、上位者がその是非を判断する形です。問題なければ提案を踏襲した形で実行していくことになります。

ハイブリットというスタイル
これは私の造語ですが、トップダウンとボトムアップを両立した方式を言います。
会社や組織全体の仕組みを変えるような取り組みはトップダウンで動かし、その中で現場やプレーヤーからの意見も取り入れながら進めたり、あるいは案件の規模や内容に応じて使い分ける方法を指します。
(2)実際に働く上でのメリット・デメリット
【トップダウン】
〇メリット
・スピード感がある
上からの指示はやはり権限が強いため意思決定が速く、物事がスムーズに進みます。意思決定のところでプレーヤー側が困ることは少ないでしょう。
・上位者のマネジメントスキルを体感できる
上位者や管理職の指示スタイルや意思決定の方法を強く体感できます。指示が適確であれば、自身が上位側に立ったときには大いに役立つでしょうし、成果につながれば貴重な経験となります。工場運営や事業マネジメントを目指す人にとっては、そのマネジメントスキルは参考となるはずです。
×デメリット
・自分の意見や考えを仕事に反映させにくい
上からの指示は絶対です。指示内容が非合理的であったり理不尽なものであっても基本的に意見や反論はしにくい雰囲気です。そうなるとプレーヤーのうちは自分の考えを反映できずにもどかしい気持ちになるかもしれません。それでも上位が責任をとってくれる健全な組織であればいいのですが、“実行した人間が悪い”という風潮がある組織があるのは事実で、そういった環境ではストレスが大きく、モチベーション維持が難しいです。
・パワハラの可能性
指示を遂行させるために細かいことを指摘したり声を荒げて厳しい言い方や高圧的態度をとる上位者がたまにいます。筆者も「やれと言ったらやれ!」「こんなこともできねえのか!」と言われたものです。トップダウン環境ではそれが当たり前という雰囲気もあり、緊張感は大きいかもしれません。
【ボトムアップ】
〇メリット
・自分の意見や考えを仕事に反映させやすい
プレーヤーのうちからでも自分の意見や考えを反映させられるため、やりがいを感じることができるでしょう。もちろん、すべてを受け入れてもらえるわけでもありませんが、提案が採用されて成果が出たときの喜びもひとしおです。将来の転職の際に実績アピールとして有効ですし、仕事に意欲を持って取り組みやすくなります。
・現場の実態を考慮した意思決定になりやすい
現場からの声を吸い上げる形ですので、現場の実態に沿う進め方と言えます。上位都合の一方的な指示ではないので、プレーヤーならではのアイデアが出やすくなります。
×デメリット
・スピードに欠ける
下位→上位→下位というルートになるので意思決定に時間がかかります。また、下位からいろんな意見が出されるため、まとめきれずに収束できないなんてこともあります。方向性が見い出せない事態となりますので注意が必要です。
・中間管理職が仕事に無関心・無責任になりがち
ある程度、部下内で結論が出ていたり完結していたりもするので、管理職がラクになりがちです。そしていわゆる無能管理職が発生します。あまり考えることもなく下からの提案を容認するだけの状態となり、次第に部下の仕事に無関心になることもあります。度が過ぎると、なにか問題が発生しても「部下が決めたことだから俺は知らない」と無責任な態度をとる管理職もいたので、ボトムアップの弊害と言えるでしょう。
・人間関係がこじれる
ボトムアップ環境下では下位同士で議論して提案することが多いですが、いろんな意見が出ますので、意に反する発言や食い違いがあると口論に発展する場合があります。後にも遺恨や確執として残り、雰囲気が悪くなることがあります(前職がまさにそうでした)。
【ハイブリッド】
〇メリット
・仕事はしやすい
これはトップダウンとボトムアップのバランスを取った方式ですので、上位の意思決定により滞りなく仕事は進み、一方で下からの意見も取り入れるのでプレーヤー側も大きなストレスを感じることなく、でも適度な緊張感を持って取り組めると思います。
〇デメリット
・中間管理職はストレスが大きい
中間の立場となると、上からも下からも意見が出るので、それらを汲み取る難しさはあります。
また役割として、「下からの意見をまとめて上に伝える」のと「上からの指示を具体化して下に従わせる」というタスクが発生するため、負担が大きいです。
現職ではハイブリットスタイルに近いのですが、板挟み状態が強くなりますので、病むくらい精神的にダメージを受けた管理職はいます。
(3)適性について
トップダウン職場に向いている人
ⅰ)考えるよりまず行動する人
満点にはこだわらずにすぐ動き出せる人は適応できるでしょう。トップダウンではスピード感を求められることが多く、完成度が高くなくても、ある程度の形を残せるような人は好まれます。
ⅱ)リーダーシップがある人
将来は部下を率いて組織を動かしたい人はトップダウン組織で活躍できるでしょう。
最初の数年は我慢が必要ですが、いずれ後輩ができると指導しながら仕事を進め、そしてチーム→グループ→部署単位と仕事を動かす規模と機会が増えていきます。リーダーシップを発揮できる場が次第に増えるので、それに比例してやりがいも増していくことでしょう。
ボトムアップに向いている人
ⅰ)自分で考えてから行動できる人
自分の考えをしっかり持ち、それに基づき行動できる人はボトムアップ式がいいでしょう。自ら課題を発掘し、計画や手段も検討できる人はやりやすいでしょう。
ⅱ)若いうちに転職を検討している人
若いうちから自分で仕事を生み出したり、手を挙げて提案した仕事が成果につながる経験はボトムアップでしかできません。そして、それは実績として誇れるものとなります。そのような実績を持つ方は転職市場では魅力的に映ることでしょう。また、市場価値を意識することでさらに仕事に前向きに取り組めるといった相乗効果も期待できます。
筆者もそういった環境で仕事に取り組んだことで、様々な経験を積むことができましたし、話や提案を聞いてくれた当時の上司には感謝しています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
トップダウンとボトムアップそれぞれの特徴を享受してから転職等でステップアップするのも良し、自身の適性や性格に合うならその環境でバリバリ活躍するのも良し。
特徴を理解した上で今後の皆さんのキャリア形成や職場での振る舞いの参考になれば幸いです。
以下、表にてまとめを記載します。

おわり
【問題提起】製造現場で感じる難しさ
お疲れさまです。
今回は現場でものを流す難しさがテーマです。取り決めされたルールの中でQCDを達成するために、そこで働く人の心情はいかなるものかについて書きました。
現場で起きた違反事例について、なぜそうなったのか、当事者はどういう心理状態だったのかを想像し、違反を起こさないためにはどうすべきかしっかり考えてみましょう。
目次
(1)事例
以前いた会社でこんなことが起きました。
普段は担当者Aと責任者Bで回す工程にて、ある日、どうしても当日中に流さないといけない製品が多くありました。しかし、その日はあいにくAが不在だったこともあり、工程が追いついていない状況でした。そこで責任者Bは元担当者Cにヘルプでやってもらおうとしました。ところが、これまた厄介なハードルがありました。ルール上、担当者以外が行う場合は事前に教育が必須で、たとえ過去に経験がある者であっても再教育という形で受ける必要があったそうです。その上で顧客への提出書類に担当者印を押すことができ、最終的に客先に納入されます。
当時の状況では、再教育をしている余裕はなく、とても間に合いそうにありませんでした。
上記のルールについてBもCも認識していました。
そこでBは
①Cに工程を入るように指示
②担当者印についてはAの印鑑を使って押印。Bもそれに関して黙認。
こういった流れで何とかその場を凌いだわけです。
しかし後の調査でこれが不適切行為(コンプライアンス違反寸前)として発覚しました。
社内でも社長クラスにまで問題報告がされ、始末書レベルにまで発展しました。
(2)問題提起
ここで私が言いたいことは、“ルールや作業手順をしっかり守って、ものづくりをしましょう”、なんてことではありません。
責任者BやCの行動が問題であり、処分するなり是正すればいい…
そんな簡単な話でもないと私は考えます。
こんな状況において、あなたならどうしますか?ルールを遵守して適切に対応する自信は本当にありますか?ということです。
今回のような現場で起きる不適切行為は、制限速度50km/hの車道でバイクを走らせてる中、背後から70km/hで猛獣に追われても速度を守れますか?という状況に近いでしょう(当事者はそのくらいに感じていたかも)。
不適切行為が発生しない、かつQCDも守るために自分ならどうするかを考える必要はあります。
(3)納期を守るためにルールが守れない
私も現場経験がありますが、現場レベルでは想像を絶するくらいに“納期”に追われている状況かと想像します。
例えば、不良が出た時のネガティブな気持ち。これは不良をつくったこと自体よりも、それによるタイムロス(再加工、原因と対策への対応など)が主な理由とも言えます。不良による納期遅れを恐れるのです。なぜ、そこまで“納期”に対し緊張するのか、上司や関係者から急かされることによるプレッシャーもあるでしょうし、本来人間が持つ心理なのかもしれません。製品を大量に捌く製造現場においては、その一つひとつに設定された納期に向き合いながら仕事をするため、その精神的負担は膨大です。その中で存在するルールは、納期順守の過程におけるハードルみたいなもので、現場スタッフにとっては正直、煩わしいものに感じるわけです。本来はルール順守があっての納期ですが、いざ差し迫った状況では誤った判断や行為をしてしまうのでしょう。
(4)起こさないためには
もし自分だったら…
そう考えると、このままでは正直、自分も違反せずに行動できるか自信はありません。
おそらく、仕組みや組織上において対策が必要でしょう。
今後、このようなことが起きないように、ものづくりに携わる人間として検討すべきことことしては
・違反できない仕組みづくり
*印を電子化し、本人しか使用できないようにする。
*工程自動化、AI化
*開発段階で工程省略、簡略化検討
・教育方法の見直し
*ルール順守の徹底というより、ルール違反したらこうなるor顧客や会社そして自身にこういうダメージがあるという想像力を養う
*不正は必ずばれるという教育
・人員、労務管理の見直し
・メンバー間および管理職とのコミュニケーション改善
などが挙げられるでしょう。
しかし、これだけでは不十分でしょうし、まだまだ根本的解決にはなっていないかもしれません。コミュニケーションなんてそう簡単に改善できるもんでもないし…(ただの理想)
ぜひ、ここであげた事例を参考にし、法令や規定に関して各社(皆様の職場)が抱える潜在的な問題、QCDにかかわる懸念について議論して、それぞれに適した未然防止、解決策を見出してもらえればと思います。
まとめ
・現場当事者は“納期”という計り知れないプレッシャーの中、仕事をしている。それが不適切行為につながる要因になり得る。
・自分ならどうするかを想像して考えることが重要
以上
【完全主観】職場で関わってはいけない人
お疲れさまです。
今回は職場の人間関係がテーマです。
「職場で関わってはいけない人」3選をチョイスしました。
同様の内容について、様々なインフルエンサーの方が発表(※)していますが、一応3社を経験し、その中でいろんな人間を見てきた私が自己満で考えてみました。
※参考
◽︎マコなり社長
「身近にいる絶対に関わってはいけない人」
◽︎両学長リベラルアーツ大学
「あなたの身近にいる人生で関わってはいけない人5選」
今回の選定にあたって、以下の基準で考えました。
*明らかな人格欠陥者は除外
Ex.露骨なパワハラ&モラハラ(Shiね/辞めちまえ/人格否定発言、暴力など)、違法行為またはその強要
*一部の人に評判が悪いとかではなく、職場あるいは部署全体に敬遠されていた人によくある特徴
*仕事ができない、ミスが多いとかも除外
この類の内容では独断と偏見になりがちです。全てにおいて納得される方はいないでしょうが、部分的にでも共感する内容があれば、気休めとしてお楽しみいただければと思います。
関わってはいけない人3選
『求めていないアドバイスをしてくる人』
取り組んでる仕事に対して関係性のない、もしくは論点とはズレた意見をしてくる人です。
これは上記参考(※)でも紹介されている内容ですが、相手する上で本当に面倒くさい人です。
私の経験を例にすると、ある時、最表面めっきの問題を検証中に、老害社員Xが首を突っ込んできて、何故か下地ニッケルめっきの添加剤について語り出しました。ヒートアップし、しまいには、その(求めていない)アドバイスを実証して顧客への報告レポートに盛り込めと言って騒ぎ出しました。事情を説明しても聞く耳を持たず、管理職もXを抑えられずで、結局ニッケルめっきの検証をするハメになりました。もちろん、それにより本来の目的に割く時間は削られるor残業時間を増やして対応することになります。Xの不要なアドバイスによって自分(会社)の時間が犠牲になるわけです。
結果、顧客からは「ニッケルめっきの話とお願いしていた問題の検証はどう紐づくの!?」と不信感を抱かれました。
このような人を相手にしても
・自分には何のプラスにもならない
・時間が削られる(話を聞かされる時間、不要な対応が増える)
・周囲や関係者にマイナスの結果を生む
といったように損することが多く、迷惑を被ることになります。
なぜ求めていないアドバイスをしてくるのでしょうか。
推察するに、
「俺はお前より知ってる」
「正しいことを言ってあげてる」
といったマウント心理があります。
あくまで相手より精神的優位に立ちたいだけなのです。
そして、こんな人が必ずといっていいほど、付け加える発言があります。
それは、
「お前のために言ってるんだ」
こんな人と仕事をしていると、徐々に自身の精神がすり減ってしまい、ストレスになりますね。。。
『自分を主語にして組織や職場の功績を語る人』
会社や組織にとってポジティブな結果を「“自分”がやった」と、目下の者にわざわざアピールしてくる人のことです。
具体例として
「俺が自動化を実現したおかげで問題だらけだった工場は変貌を遂げた」
「俺が赤字で潰れかけた会社を黒字化した」
といった類です。
もちろん、必要なアピールを周囲にすることは大事です。ただ、“自分”を前面に出し、恩着せがましく語る人には要注意です。
私がこれまで見てきた中では、実際には大して貢献してなかったり、本当は負の要素が大きいにもかかわらず都合の良い事実だけを語る人が多かったです。
(そもそも単独で仕事が成功するなんてことはあまりないですし、人格者であれば「関係者のおかげで達成できた」などと周囲へ感謝の気持ちが先に表れるのではないでしょうか)
発言が事実であれば、称賛や高評価の声があってもいいはずですが、大抵の場合、むしろ評判が悪いです。1つ目の例では、前任者の頃から既に自動化はされており、引き継いだ発言者(課長)は一部を更新したのみ。その更新後で生産性は上がらず、不良率は大きく悪化。現場や事業部内からは批判続出しているのが実際でした。
自分の功績だったことにして語りたがる人の心理として、
・自己顕示欲
・自分を魅力的に見せて味方を増やしたい
・実存する不都合を誤魔化したい
などがあると思われます。
このタイプの人間は都合の良い話には寄ってきますが、不都合な事実には認識がないor自責の意識は希薄なことが多く、
・語られていない不都合の尻拭いをさせられる
・結果が芳しくないと他責にされる
(指示通りに遂行しても“俺は知らない”、“お前がやったことだ”)
・手柄は全て持っていかれる
・案件の見込みがなくなると押し付けられる
といった弊害があります。
くれぐれも取り繕った魅力に騙されないようにしましょう。
『やたら権力者や実力者の名前を出す人』
人事権を持っていたり、事業を動かす決定権を持つ実力者の名前を出し、繋がりを強調する人のことです。
「事業部長とはいつも考えが合うし、今回も俺の意見に賛同するだろう」
「飲み会で本部長にめっちゃ喜んでもらえたから好かれている」
「俺は社長にスカウトされ、懇願されてこの会社に入った」
日頃からこんなことを口にする人には警戒してください。
まず、零細企業または社長の息子とかでない限り、トップと程遠い立場(中間管理職以下)の人が上記のような関係性になることは考えにくいです。普通であれば、わざわざ上記のようなことを口にしないでしょう。
心理として
・自分を大きく見せて優位に立ちたい
・後ろ盾をチラつかせて、味方を増やしたい
・発言力を持たせたい
が働いていると思われます。
このタイプの人間はとにかく自分に自信がなく、権力者の名前を使って自分を保っているのです。また、そうすることで権力者と同じ様に他人を支配できると勘違いしている場合もあります。
このような人は
・意思に反する、もしくは気に食わないことがあると攻撃的態度をとる
(権力者の名を後ろ盾にして)
・必要以上に上下関係を強いてくる
・自分の意見を押し通そうとして、場を乱す(議論ができない)
などの傾向があり、とにかく面倒です。また、実際は言うほどの人脈はないので仕事の上でも役に立ちません。関わるとろくなことはありません。
まとめ
紹介した「関わってはいけない人」は過去の体験からくる強いコンプレックスを抱えてる場合が多いようです。他人の過去の環境は変えられませんので、どうしようもありません。距離を置く方が無難です。それでもその人が直属の上司の場合など、どうしても常に関わらざるを得ない環境であれば転職などで逃げても良いと思います。そんな人のために自身の時間を犠牲にし、精神をすり減らすなんて馬鹿げています。あなたを不幸にする「関わってはいけない人」に振り回されないようにキャリア人生を有意義なものにしたいものですね。
おわり
「品質と人」 言葉から表れるモノづくり
お疲れさまです。
今回は「品質と人」がテーマです。
人の言動から見えてくるモノづくりの考え方や組織の雰囲気について、私の経験から感じたことを交えながらお伝えします。
内容は割と思いつき感もあって、まとまりに欠けるかもしれませんが、何となく雰囲気だけでも読み取ってもらえればと思います。
目次
(1)品質トラブル時の言動
品質不良でバタバタしだすと、よく耳にするのが「製造における技術不足が原因」「ノウハウが継承がされていない」です。
めっき製造現場や薬品開発では、社内または顧客の現場でめっき不良は多く存在し、担当者が頭を抱える様子を幾度と見てきました。めっき薬品開発においても、ユーザーへの説明や解明・対策に苦労します(私も経験した)。現職の無電解めっき工程でも不良が落ち着かず、数ヶ月にわたってモノが流せていません。客先に対策を提案しては細部を突っ込まれ、そのツッコミの対策をしては更なる細部を突っ込まれ…、その繰り返しで業務負担は増え、本質的な解決が見えず迷宮入り状態です。
「技術不足」「若手への技術継承」。確かに要因としては考えやすいですし、あり得る話でしょう。しかし、理由としては的確でしょうか?
(2)製造側の問題なのか
上記の発言に見える本質は、あくまで製造現場における技術やノウハウを対象にしています。言い換えると、開発設計や量産化検討段階には着目していないのです。しかし、現職での品質問題でも、ヒアリングしていくと、開発段階において、
・ひたすら生産速度(析出速度)を重視し、その他の要素でミスマッチがあった(浴負荷、めっき以外の析出、推奨範囲外での使用など)
・スケールアップ時のテストラン未実施(薬品メーカーの取説通りの使用で何とかなるという想定)
これらの不備があったのは事実だそうです。社内の量産化へ向けた取り組み(めっき液選定、テストラン)の問題、あるいは薬品メーカーの技術力不足やミスマッチな提案があったかなど、原因は不明です。しかし、いずれにしても、このまま量産移管されては、現場側はどうしようもありません。製造段階の問題ではなく、それ以前の段階が準備不足だったのではないでしょうか。
品質の良し悪しの8割は設計段階までで決まる、製造段階はせいぜい2割とよく言います。めっきの世界でも、まさしくその通りで、量産化までに抽出できなかった課題のしわ寄せは間違いなく製造側に行くのです。
「技術不足」「技術継承」というのはごもっともなように聞こえるのですが、不足していたのは“技術”や“継承”よりも、“準備”または“検証”ではないでしょうか。
(3)担当者の苦労
めっき工程を含む製造業でも、めっき薬品メーカーでも、社内または顧客での品質トラブルに対し、顧客に説明したり現場で検証業務に当たる当事者がいます。率直に言うとハズレくじ、面倒という印象を持たれがちなのがこのポジションです。
まず、前述したように量産化以前の問題が原因だと後戻りしづらく、工程変更となるとさらに高いハードルが待ち受けることになります。つまり、技術的な解決策があったとしても、それを実現するには膨大なエネルギー(仕事量、精神面)が必要となります。
また、製造業に限らず、仕事における周りからの印象や評価というのは減点法(いかに失敗やマイナスを作らないか)または加点法(新たな成果や価値創造)によるものが多いでしょう。研究開発のようなゼロからプラスを生み出すような仕事とは異なり、品質トラブル対応というのは不良(マイナス要素)を解決(ゼロに戻す)することが役割です。つまり、印象としてはマイナススタートから携わり、原状回復してもプラスにはなりません。このような印象のある仕事に対して非協力的な人も少なくなく、責任感のない上司や職場だと1人で抱え込むハメになり、精神的に辛くなるケースもあります。こういう時は1人に任せるのではなく、管理職含めて関係者達が当事者意識を持ち、一丸となって取り組みたいものです。。。
(4)製造現場での人間模様、そして起こること
品質は量産化検討までが勝負ではありますが、品質問題発生時にも何とかモノは流したいですし、やはり製造側も対応に追われます。
製造現場では不良発生時にどうなるでしょうか。これも管理職やリーダー次第では最悪な環境になります。
私が以前所属しためっき製造現場がその典型例です。
とあるめっきラインにおいて品質不良が多発していたため、ハルセル試験による状態確認や原因特定、液管理方法見直し、管理ミス防止のための帳票改定等の対応をしました。なんとか品質改善までやり遂げたのですが、状況について随時報告する度に上司から返ってきた言葉が「そんなの当たり前だ!」「不良が出る状態にした時点でお前はダメなんだ!」とまさかの罵倒でした。これはこの件に限らず、当時の環境では誰しもが経験したことのようです。そうなると、スタッフの中では「一生懸命取り組んでも報われない」「今後同じことが起きても、もうやりたくない」という感情が芽生えてしまいます。そして、そんな職場で起こる現象が責任転嫁です。不良発生時にスタッフ間で「この不良はスタッフAが当番(交代勤務)の時に発生したものだからAが悪い」「その前に液更新をBがしていれば不良は起きなかったはず」「その当番前から少し調子が落ちてたみたいだからCが悪い」。。。こんなやりとりが常態化していました。こうやって“誰が悪い”に集中してしまい、どう問題を解決するかを誰も考えなくなってしまいます。そんな現場でいいモノづくりができるはずもなく、当時は歩留まりも利益も右肩下がりでした(人の定着は元々悪い)。
このように、上司や職場の雰囲気によって、人の品質に対する取り組みや姿勢は大きく変わってしまいます。
「モノづくりは人づくりから」とはこういうことなのかなと私は考えています。
(5)まとめ
・品質はやはり開発〜量産化検討段階が重要。量産化してからではどうしようもないことがほとんど。
・品質不良が発生すると多方面から人が関わってきますが、そんな異常時ほど人の本性や考えが見えてきます。開発にしろ製造現場にしろ、各個人のそういった考えが集まって職場の雰囲気はつくられますし、モノがつくられるわけです。人もモノも意識しながら、技術者として精進したいものです。
・毎日、品質に向き合っている方、本当にお疲れさまです。また、不良対応や品質に携わっている方に対しては、否定したり貶したりするのではなく、せめて労いの気持ちくらいは持ってください。
おわり
所感
本日もお疲れさまです。
私は転職3回を経験しためっき・表面処理技術者です。一貫してめっき関連の仕事をしております。
最終章です。
1社目で経験から感じたことをまとめました。
参考になれば幸いです。
目次
1章 1社目での暗黒時代:前編
2章 1社目での暗黒時代:後編
3章 所感
主人公は誰なのか
現在、就活生の方で、大手企業への憧れ、会社の安定性、ブランド力etc…それらを重視し、あるいは魅力を感じる人も多いでしょう。つい “会社” に目が行きがちです。しかし、主人公はあくまで “自分” だということを忘れてはなりません。仕事で自分が何をし、その先に自分はどうありたいか。そして、それを実現するためにどの会社に入るかという視点です。私の場合、就活当時は明確なありたい姿というのはなく、1社目での休職〜転職活動期間になって考えるようになりました。幸いにも“めっき”という未だ謎の多い技術を続け、やり切ったと思えるまで究めたいという意向ができました。まだ働いたことのない(バイトは除く)就活生にとって、そのイメージを掴むのは難しいかもしれません。身内や大学のOB・OGなどを参考にし、イメージ程度でいいと思いますのでありたい姿について考えてみてください。就活時にそのイメージがなかった若手社会人の方も、実際に働いてみてどういうキャリアを実現したいかを徐々に定めてはいかがでしょう。日頃の忙しさでいっぱいになりがちですが、ふと立ち止まって考え、歩みたいキャリアについて整理してみましょう。私もまだまだ深掘りして考えていく立場ですので、皆さんいっしょに頑張りましょう!
“安定な会社”に『安定』はなかった
私は世界シェアトップの製品を有し、世間的にも名の知れた会社に入ることができました。しかし、そこで目にしたのは毎日辛い顔をして出社をする人や人間性を疑う言動や行動、うつ病で会社に来れなくなる人、、、個人が潰されていく様子でした。そんなことがあろうが会社は潰れません、安定です。でも、そんな環境に自分の安定などは存在しません。結局のところ、自分で手に入れるしかないのです。それは、業界や社会に通用するスキルや専門性(=技術的資産)であったり、人望・人脈(=人的資産)などでしょう(これについては著書「転職の思考法」に記された内容ですので、ぜひご一読ください)。
昨今の終身雇用崩壊や大企業の黒字リストラなどに代表されるように、自分ではコントロールできない事態が起こりうるのです。そうなった場合でも上記資産を活かして新たな道、キャリアへ進むことができるわけです。私はまだまだ未熟者ですが、世間で通用する資産をしっかり増やしていきたいと思います。
今いる環境が全てではない
1社目時代には事あるごとに上司や周りから厳しいことを言われ、ひどく落ち込み、自分に対し悲観的になりました。しかし、転職して思うのは、それら周りの反応は、必ずしもビジネスマンとしての世間からの評価とは一致しないということです。それらはあくまで会社や組織のものさしにすぎず、社会におけるあなたの価値を否定されたわけではないのです。新卒入社では特に、今いる環境に染まった状態に陥りやすく、その環境下での評価や価値観が全てなのだと錯覚してしまいます。しかし、使い物にならないと評されていた人が環境を変えた途端、メキメキと成長し評価されることはよくある話です。自身も2社目では上司や同僚と良好な関係を築き、お客さんから感謝されることもあったりとやりがいを感じていました。今、仕事で辛い思いをしていたり、周りに認められず悲観的になっている若手新卒社員の方はぜひ諦めないでください。視野を広げ、社外の知り合いや書籍などに情報アンテナを貼ってみてください。転職相談でもいいでしょう。そこに新たな道や希望が見出せるかもしれません。
一歩踏み出せば大したことなかった
当時、悩みながらも行動に移せない時期がありましたが、勇気を出して転職を決意し行動すれば意外と何とかなるものです。失敗するかもしれない、今より環境が悪くなるかもしれない、辞めたら残される同僚に迷惑かける、、、私も当時は不安な気持ちになりました。しかし、残り続けた場合、何を得られるのか、納得して働けるのか、そもそも幸せでいられるのか、、、行動するリスクと天秤に掛けた結果、何もしないリスクの方が大きいと判断しました。少なくとも直近で状況が好転する可能性は考えにくく、自分で変えるしかないと考えたのです。実際、転職にはリスクがないわけではありませんが、自分の将来を変えるためなので不安は消滅していました。そうなれば行動できるものです。もちろん残念な選考結果になることもあるのですが、1社目で大した実績も実務経験もなかった自分でも転職先が決まり、新たな道に進むことができたのです。今振り返ると、求人票を眺めたり職務経歴の棚卸をしたことは楽しかったです。行動して本当に良かったです。
3章にわたってお伝えしましたが、本ブログが職場やキャリアに悩み・苦しみを抱えながらも一歩踏み出せずにいる方を後押しするものになれば幸いです。
おわり
1社目での暗黒時代:後編
本日もお疲れさまです。
私は転職3回を経験した社会人12年目のめっき・表面処理技術者です。一貫してめっき関連の仕事をしております。
自身の1社目時代の後編です。
今回は配属後の話となります。
めっき製造現場のリアルついても描いていますので、これからめっきに携わる方などの参考になるかもしれません。
目次
1章 1社目での暗黒時代:前編
2章 1社目での暗黒時代:後編
3章 所感
(4)配属してから
さて本配属先はめっき工程。私のめっき技術者としてのスタートです。社内で3交替勤務を強いられる数少ない工程であり、最も過酷な工程と言われていました。上司からは「1年程度、研修として現場経験を積んでから実務的な仕事に取り組んでもらう」とのことでした。2週間経過し交替勤務が開始。ここから本格的な作業教育の始まりです。自動化が進んでいるとはいえ、複数ある数千L級のラインを動かさなければなりません。薬品補充は1袋20kgの毒劇物を何回も持ち上げての作業。溶解極板なんかでも計500kg分をホイストで運搬しながら補充作業。しかもラインの中に入っての作業で、“暑い”、“臭い”、“危険”。初めて夜勤を終え帰宅後は家の座椅子に座ってから3時間も身動きが取れませんでした。気力がない…現実の厳しさを感じなからも「あくまで研修。メインオペレーターのアシストをしながら学べることは習得したい。1年間耐えれば次のステップがある」。そう前向きに考えていました。
(5)苦悩
ある日、上司から呼び出され、「来週から××ラインを1人で担当してもらう」と伝えられました。メインオペレーターが大人の事情で異動となったためです。「院卒総合職なのに研修でメインオペレーターとして経験させられるのか…」。1年間とはいえライン工として扱われる現実に衝撃を受けました。それから1週間で、装置起動、溶解極板補充、薬品補充、前処理液更新、製品運搬etc.、これらを徹底的に叩き込まれました。
しかし現実は想像を絶する厳しさでした。1週間だけで独り立ちなんてできるわけがなく、段取りが悪い、品質の判断ができない、機械トラブルなんて意味不明…。聞いても、「そんなこともできねえのか!」「ここは学校じゃない。教えてもらおうという時点でお前はクソ!」。昔ながらの現場のキレキャラといった感じで、パワハラ、モラハラなんて何が悪いといった様子。10秒に1回のチョコ停があっても保全責任者は「オレが壊したわけじゃないのに何で修理せなあかんのや!」と無責任に放置。ただでさえハードなのに故障多発で気力も体力も疲弊。本来、品質トラブル時は頭も使って対応したいところですが、作業に追われるだけで思考停止状態。こんな状態で一体何が得られるんだろう、、、そう思うようになりました。
(6)いよいよKO
1年が経過しました。この間、あちこちラインをたらい回しにされながらの生産業務。状況は変わっていませんでした。1年前の上司の話とは異なる…このあたりから自分の置かれてる状況がおかしいと感じるようになりました。別の部署(工程)の製造配属になった同期も最初は現場研修ですが、それを終えて実務的な仕事を始めていました。「え!まだ現場でやってるの!?」「メインオペレーターをやってるの!?こっちはたまに製造スタッフの補助をしたくらいだったけど」などと言われます。大学時代の友人と集まって話をした時も、製造配属は皆無、ましてやライン工なんていません。みんな愚痴をこぼしながらも、なんだか充実して見えました。この時期から“転職”の2文字が頭をよぎるようになりました。
2年が経過。相変わらずラインで生産です。3年目にもなれば、さすがに状況は変わるばす、そんな淡い期待で何とかやってました。
この頃から課長が絡んできて仕事を振ってくるようになりました。ただでさえ生産でいっぱい、残業も一切認められない中で二足のわらじを履けるわけがありません。そしてこの課長はいわゆるサイコパス。進捗確認をされては机を叩くなり人前で大声で激しく叱責。人格否定も当たり前。
人事にも置かれてる状況や当初の希望とは乖離があることを相談しましたが、「育成、研修方針については各職場に任せてるから」「上司の方針に従わないのは会社命令違反」「会社あってこそのあなた。最近の若い奴らはすぐに希望云々を口にする」とばっさり。真摯に向き合ってもらえませんでした。
製造をしなくてはならないプレッシャーと置かれてる状況への不信感、加えて課長からのパワハラ・モラハラ…
この頃から心療内科にも相談していましたが、とうとう会社に行くことができなくなりました。
(7)考えが変わるきっかけとなった休暇
2ヶ月ほど休暇しました。最初は外に出ることすらできず布団の中で泣いていました。しかし2週間くらいすると少しずつ気持ちが落ち着き、外に出られるようになりました。なんとなく本屋に行ってみると、いろんな小説や著名人の価値観、人生に関する内容を記した書籍を目にしました。それらに目を通すと自分がいかに狭い世界で生きていたかに気付きました。それまでは目の前のことで必死で自分の人生や仕事について考える余裕なんてありませんでした。しかし、この期間で自分のキャリアについて冷静に見つめ直すことができたと思います。そういった意味でこの期間は貴重な体験となりました。
そして復帰。この時すでに転職を決心していました。①やりたい仕事②勤務地③人間関係、この3つ全てが最悪だった(②については①が叶うならばということで目をつぶったが)時点で、もうこの会社に我慢して残る理由はありません。会社は安定しており、辞めるのはもったいないと周りから思われるかもしれません。でも、人生1度きり。将来、後悔しないようにせめて若いうちはやりたいことを追い求めよう、そう考えるようになりました。自分の考えが変わった時でした。
(8)転職
転職活動ではめっき関連の仕事を探していました。これだけ辛い思いをしましたが、不思議にもめっき技術そのものは嫌いではなかったのです。添加剤や成分濃度を調整しながら品質を回復できた時は達成感がありました。条件を振ってめっき外観が変わる様子も勉強になりました。困りごとの解決や品質安定のために必要なツール・理屈をしっかり習得できる環境で働きたいと考えていました。そうすることでめっきの面白みを感じることができ、専門性の高い技術者になれる、そう考えました。そして転職活動の結果、めっき薬品メーカーより内定をいただいたのでした。
最終出社日。お世話になった現場スタッフから一言。
「お前、目が輝いとるな!」
最終章へつづく
1社目での暗黒時代:前編
本日もお疲れさまです。
私は社会人12年目のめっき・表面処理技術者で、転職3回を経験しました。一貫してめっき関連の仕事をしておりますが、製造現場と開発を両方経験しております。
今回は自身の1社目時代を振り返りたいと思います。
以下の3部構成にて随時投稿します。
目次
1章 1社目での暗黒時代:前編
2章 1社目での暗黒時代:後編
3章 所感
まえがき
新卒社員として社会人生活をスタートされた方は厳しい就職活動を乗り越え、大きな期待を胸に入社されたことでしょう。しかし、配属先が希望とは異なった、上司と合わない、想像していた仕事と違う、そんなギャップに苦しむ方も多いかと思います。私も新卒入社時代は苦しみました。そんな過去の私と同様の境遇にいて悩んでいる方(特に若手社会人)にとって何か参考になれば幸いです。
と都合の良いことを言ってますが、たまたま記事を見つけた方は暇つぶし程度に楽しんでいただけたらと思います。
今後、技術者の転職やキャリアについても投稿する予定ですが、1社目で経験したことは現在の私のキャリアに対する価値観を変えたきっかけとなっております。
ご覧の方にも何かきっかけになればと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
(1)新卒就活時
当時、就活を進める上で「この業界・企業で働きたい」や「専攻を活かして◯◯したい」という明確な軸は正直持っていませんでした。ただ、なんとなく化学や材料の立場でモノづくりをしたいという、ざっくりした考えは持っていました。そのイメージは研究開発や応用開発といったところでしょう。そして、結果として国内・世界でダントツのトップシェア製品を有するメーカーに技術系として内定をいただきました。それまでは就活がうまくいっておらず苦しんでいた中で、その会社の選考だけは順調に進んだ感じで、吉報が届いた時はとにかくホッとしました。
勤務地となる技術拠点が田舎の僻地なのは気がかりでしたが、『材料〜最終製品まで一貫したモノづくりをしており、化学の立場で仕事ができる』『No.1シェアを誇るに値する技術力もあるだろう』『安定性も抜群』、、、
そんな期待を膨らませながら内定を承諾しました。
(2)当時の考え
就活時も含めて配属が決まるまでは、第一希望とまではいかなくても院卒理系であれば専攻や希望にある程度は沿った形で部署や仕事が用意されるものだと信じ込んでいました。機械系なら製造装置の機械設計や開発、化学なら反応式を考察するなり材料特性を解析評価etc...ましてやエントリーシートや面接なんかでも希望についてはお話していますし、その上で内定を出したはず、そう考えていました。研究室や大学のOB・OGのお話を聞いても、ドンピシャではなくても専攻や研究内容の経験を活かして活躍されてる方も多かったので自身もそのようになるものだと想像していました。
また、会社の安定性も自然と意識していました。将来にわたって衣食住に不自由なく過ごすためには安定した会社で働き続けることが無難だと思っていました。いわゆる昔ながらの終身雇用を前提とした価値観、子どもの頃から親や学校教育によって植え付けられた固定観念みたいなものがあったのだと思います。その当時は…
(3)運命の配属ガチャ
大きな期待を胸に入社。最初3ヶ月の新人向け現場研修等を経て本配属となりますが、配属発表前に人事と改めて希望配属について面談があります。その3ヶ月間でいろいろと噂が耳に入るのですが、毎年50名以上いる技術採用のうち大半が幹部候補という名目で製造現場配属になるという話が流れました。少し不安な気持ちにもなりましたが、自分は選考で意思をお伝えしてますし、同期の中で「現場配属希望」「この会社で働けるなら配属はどこでもOK」という人も多く、そういう人たちが現場配属になるのだろうと想像していました。
そして人事との面談、私は選考時と変わらず希望をお伝えしました。そこで人事からひとこと「もちろん会社の事情も考えながら配属は決定されますので、全員が必ずしも希望通りにはならないことは認識しておいてください」
これを言われた人と言われなかった人がいたことは後に知りました。。。
そして配属発表、私のところには製造部(表面処理工程)の職場名が記されていました。
気持ち的にかなり落ち込みました。しかし、やってみないとわからない、やっていく中で新たな自分の強みを見出せるかもしれない、将来この経験が活きるかもしれない、そうポジティブに考えるようにしました。
そして本配属先での仕事がスタート。これが私のビジネスマンとしての暗黒時代になるとは、この時はまだ想像つきませんでした。
2章へつづく
